毎日食べても太らないものを提供する
池野谷社長は、昼には毎日必ず自社商品であるラーメンと餃子を食べるという。しかし、全量ではない。半分だ。ラーメン、餃子という食生活を続けても、ちゃんとスタイルを維持している。
「当チェーンで提供する料理は、毎日食べても太らないものをと考えています。食材の鮮度や、素材を煮出したスープを活かして、料理の味付けもあまり濃くないようにしています。
私は、この仕事を始めてもう31年、社長になって約20年なんですけれど、自分らしく経営をしています。急速に業績を伸ばしたりはせず、無理をしないで、ちょっとずつちょっとずつ日々のことをやって、その結果、店舗が増えている。
普通の主婦なので、それ以上のことはできません。私のいいところは、消費者目線を持っているところだと思います。ですから、自分が食べたいもの、自分の家族に食べてもらいたいものを提供したい。玄米もそうですし、濃くない味付けや油っこくない料理もそうです。会社が伸びているのは、主婦として普通に感じたことをそのまま店舗で実現したことが、お客様からの評価を得られたためだと思います」(池野谷)
野菜の3割は自社農場で栽培
前述のように、「ぎょうざの満洲」で提供される料理に使われる野菜の3割は、自社農場からのものだ。わたしが池野谷にインタビューした日、その伴侶であり、取締役副社長を務める池野谷高志は、“野菜の収穫”のため畑に出ていた。経営幹部が自ら畑に出て、野菜を育てている会社である。そして、店舗にあるメニューには使用された野菜の重量が書いてある。
「自社で農場を経営するのは、少しでも鮮度のいいものを提供したいから。ほんとは豚と牛も自社で飼いたいのですけれど、さすがに反対されています。でも、お豆腐は手作りしたいと思っています。マーボ豆腐や冷奴として提供しているお豆腐が自家製だったら、いいんじゃないかと思って。近い将来、お豆腐の手作りは実現します」(池野谷)