部下のスキルを上げなければなりません

部下に仕事を任せようと思ったら、部下のスキルを上げなければなりません。特定の人に仕事を偏ってやらせたり、仕事ができる人にきちんと仕事を任せなかったり、できない人に過度な要求をしたりということがないように、きちんと整理する。

タイムマネジメントというのは要するに段取りです。重要なことに時間を割き、そうでない仕事は拙速を旨とする。これができるようになると、その人の生産性は確実に上がります。

「プアなイノベーションより優れたイミテーション」。私はかつて会長から国際会議の挨拶を考えるように命じられた際、過去の議事録を調べて、いいと思った原稿の日時と場所と出席者の名前だけを変更して提出し、たいへんほめられたことがありました。数年前の挨拶なんて誰も覚えていないのですから、まったく問題ないのです。逆に、一から自分の頭で考えていたら、何日もかかったうえにいい文章にはならなかったでしょう。

会社には過去の優れた資料やレポートなどがたくさん残っている。そういうものは遠慮なく利用させてもらえばいいのです。

「仕事は発生したその場で片付ける」。東京から大阪に出張に行ったら、帰りの新幹線で缶ビールを開けたいのをちょっと我慢して、出張レポートを書いてしまう。記憶が鮮明な分、翌日会社でやるよりよっぽど速く正確にまとめられます。会議の議事録も会議中から書き始めて、会議終了後もそこに残って仕上げればあっという間です。

こうして部下が正しい仕事のやり方を身につけてくれれば、もう管理職としての時間まで奪われることはありません。

(構成=山口雅之)
【関連記事】
全ての「頭がいい人」に当てはまる唯一の共通点
「同一労働同一賃金」で一番得をするのは誰か
定年退職の元管理職が"カスハラ"をしやすい訳
「上級会社員」と「下級会社員」で年収格差が広がってるワケ
この国で「長時間労働」がまかり通る本当の理由