なぜなら、師匠と同じ目線やセンスを持たなければ、その道での成功はありえないからです。師匠が「これ、すごいね!」と興奮しているときに、「何がすごいんですか?」とポカンとしていては見込みナシ。こうして師匠の勧める本を読破し、同じ目線を持つことができれば、師匠の力の6割くらいは吸収できます。
⑤武器としていつでも使える状態にしておく
学んだら、それを自分の仕事に生かせる形に変換する作業を行います。例えば、ファイナンスの本を読んだときに「回転率を高めることによって資金を捻出する」という一文に赤線を引いたとします。これを仕事に生かせないかと思ったら、「立ち飲み業態ならうまくいくかもしれない」といったように、具体的なところまで落とし込んでいきます。
コツコツとこの作業を行っておいて、チャンスがきたらいつでも使える状態にしておけば、忘れることもありません。線を引いて終わり、ではなく、“自分ごと”に落とし込むことで初めて「仕事に生かせる読書」になることを忘れないでください。
とはいえ、私の経験上、20~30代の頃には読むだけでワクワクし、頭の中で変換できた情報も、年をとるほど定着せずに流れていってしまいます。あえて吸収力を上げて、新たに学び直していく必要があります。
そのためには現場に行き、実際に試す。そうしてモチベーションを高め、定着させるのです。例えばAirbnbについての本を読んだら、実際にサービスを利用してみて、本の中身と相違がないか確認する。株を勉強するなら、まず買ってみて損をしたほうが、必死に学ぼうという気になるでしょう。物事を“自分ごと”として捉えていない状態で勉強しても定着せず、効率が悪いのです。
たった数千円の本から、成功者たちの成功の理由を知ることができます。自分にとって必要な本を見極め、吸収力を上げて読み、使えるようにしておく。無駄を省いたこの方法で最終的に人脈や自分独自のメソッドができてくれば、一流の人の仲間入りする日も近いでしょう。
「①、②は多くのビジネスパーソンにとって汎用性がある。③は欧米の知識人と語る際に必須の教養が、まとめられている。④は大人がアップデートすべき情報だけ(特に地理)に絞って提示。2019年に売れたビジネス書の中から選ぶなら、この4冊以外は読まなくていいと思います」(土井氏)
①『メモの魔力』
前田裕二著 幻冬舎 1400円+税
メモで“人生を変える”方法
②『1分で話せ』
伊藤羊一著 SBクリエイティブ 1400円+税
シンプルに伝える技術
③『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』
D・S・キダーほか著 文響社 2380円+税
“知らぬ恥”をかかぬ一冊
④『FACTFULNESS』
H・ロスリングほか著 日経BP 1800円+税
古い知識を入れ替える一冊
※2019年間ベストセラー(日販調べ)上位10冊からピックアップ