お酒を飲む時間帯に要注意
また、一般的にお酒に弱いというと、お酒を飲むとすぐ顔が赤くなる人を思い浮かべるかもしれません。しかしこれはアルコールではなく、アルコールの代謝産物であるアルデヒドの代謝速度が影響しています。日本人の約半数はアルデヒドの代謝が遅いのですが、アルデヒドは母乳中には分泌されないといわれていますので、これは少し安心材料かもしれません。逆に、顔が赤くならないタイプでも、お酒が残りやすい人はアルコール自体の代謝が遅いのかもしれず、要注意です。
母乳中のアルコール濃度は、アルコール摂取から30〜60分後が最大となるといわれています。もし、どうしてもお酒を飲みたいという場合は、アルコール濃度の高くないものをグラス1杯程度にとどめ、授乳するまでに2〜2時間半以上の時間をあけると、影響を少なくすることができるといわれています。
個人差も大きい部分ですが、授乳中はお酒を飲まないことにするのか、飲むとしたらどのくらい飲むのか、リスクを知った上で判断していただけたらと思います。
「授乳中カフェインを一切摂るな」は間違い
授乳中のカフェイン摂取についても、あまり気にせず摂取していいとする意見と、控えたほうがいいという意見がありますね。たしかに現在では、授乳中にママがカフェインをある程度摂取しても、赤ちゃんに大きな影響はないという意見が主流です。ある程度というのは、「コーヒー2〜3杯」が目安になっています。しかし、大きな影響がないといっても、少しは影響がある可能性があるのか気になる方もいらっしゃるかもしれません。
研究では、生後3〜6カ月頃までは、カフェインの代謝が大人より遅いことがわかっています。
たとえば、1979年のカナダの研究では、治療のためカフェインを摂取している、生後8日から8カ月の赤ちゃん10人を対象に、尿中のカフェインの量を調べました。すると、生後3カ月頃までは8割以上のカフェインがそのままの形で尿中に排出されていましたが、その後は代謝された形で排出されるようになっていきました。7〜8カ月頃には、大人と同じレベルの代謝能力となり、9割以上のカフェインは代謝された形で排出されていました。