母親がコーヒーを飲むと赤ちゃんは眠れなくなるのか
カフェインが赤ちゃんに及ぼす影響を実際に調べた研究もあります。
2012年にブラジルから発表された論文では、ママが摂取したカフェインによって、赤ちゃんの睡眠が妨げられることがあるのかどうかを調べています。この研究では、885人の母親を対象に、出産時と産後3カ月後にインタビューを行い、カフェイン飲料の摂取量を聞きました。産後3カ月のときには、インタビュー前の15日間に赤ちゃんがどのくらい寝ているかも合わせて聞いています。すると、特に産後にカフェインを1日300ミリグラム以上摂取していると、赤ちゃんが夜に3回以上起きるリスクが高くなる傾向にはありましたが、統計的に明らかな差があるとはいえず、証明はされませんでした。
カフェインには、眠気覚ましの効果だけでなく心拍数の増加などさまざまな体への影響がありますが、赤ちゃんが母乳を通して摂取する量は、先にご説明した通りかなり少ない量です。夜泣きに限らず、この程度の量ではっきりとした影響が出るとは考えにくいと思います。
私が授乳していたときは、紅茶や緑茶、ココアは普通に飲み、コーヒーはできるだけカフェインレスのものにしていました。ただ、赤ちゃんが小さいうちは、大人よりカフェインを分解する力が弱いので、特に赤ちゃんの夜泣きで困っているなら、コーヒーを控えるのがやはりおすすめです。
赤ちゃんが6カ月を過ぎたら2〜3杯までなら気にする必要はなさそうですが、もし気をつけるとしたら、コーヒーを飲むならできるだけ午前中、特に授乳直後に飲むようにすると、より安心だと思います。