2017年10月に発覚した「座間市男女9人殺害・死体遺棄事件」では、「死にたい」や「首吊り士」というアカウントを利用して、白石隆浩被告が、ツイッターで自殺をほのめかす女性たちに近づいた。

拙著『ルポ 平成ネット犯罪』(筑摩書房)でも掲載したが、座間事件後に筆者が行ったアンケートで、「死にたい」とつぶやいた結果、最も多かったのは、「反応なし」だった。友梨の場合も同じだったようだ。

(撮影=筆者)

限界になったら、自分だけのグループLINEに投稿

「ツイッターでつぶやくのは承認欲求だと思います。反応がないと『そんなものか』とも思いますが、つぶやくのはストレス発散の面もあります。そのため、少しは楽になります。でも、自分だけが楽になればいいという気持ちもあります。あまりにも辛いときには、趣味垢(趣味用のアカウント)でつぶやいたりもします。やっぱり、反応はないですね。趣味垢でつながっている人は見ているとは思いますが、(タイムラインで)ただ、流れてしまっているのでしょうね」

最近は、自分しか所属しないLINEグループでも、つぶやくようにしている。

「ここで(心理的な意味で)限界がきた時に書くようにしています」

学校でのいじめ、理不尽な担任…

こうした友梨が「死にたい」と思うようになったのは、小学4年生のとき、同級生からいじめを受けていたからだ。

「足をひっかけてきたり、給食当番のときに、配膳したものを受け取らないということがありました。私が触れたものには触れないということもあったんです。担任に言ったんですが、“そんなことないじゃん”と言われ、注意もしてくれませんでした」

小学5年生になっても別のいじめがあり、学校へ行かなくなった。中学校も最初は通学していたが、夏休み後は行けなくなった。このときの原因は担任にあるようだ。

「髪質が天然パーマなんですが、学校での指導を受けて、ずっとストレートパーマをかけていました。しばらくすると、もとの髪質に戻りました。担任に“この髪はなんだ? 縮毛矯正をしてこい”と言うので、そうしたんです。すると、同じ担任に今度は、“なんでしてきたのか?”と言われたんです」

担任の理不尽な言動は、友梨が学校に行く気を失わせた。フリースクールに通うことになるが、いい思いをしなかったという。

「指導員がきつい言い方をするんです。私のツイッターを見て、夜中に外出していると思い、ありもしないことを言ってくるんです。その後、私が間違っていないことがわかったんですが、謝罪もありませんでした」