生きるためにSNSは手放せない

高校生活も「JK」ともてはやされるようなものはなかった。中学時代に十分に勉強する時間が取れず、いわゆる「教育困難校」に進学することになる。授業がうるさく、成立しない。

「学校行事があるたびに、集会が開かれ、説教がありました。一部の生徒がしたことなのに、全員が怒られるんです。怒るのはいいですが、当事者だけにしてほしかったですね」

高校卒業後も、SNSは手放せない。出会い系のアプリを使って、“パパ活”をしているという。パパ活は、性交渉なしで、食事の時間を提供する代わりに、お小遣いをもらったり、タクシー代をもらう行為をイメージする。しかし、友梨の場合、お金をもらわないことも多い。

「性交渉はあります。交通費を出してもらい、3泊4日で行くこともあります。お小遣いをもらえないこともありますが、希望を言ったことはないですね」

見ず知らずの人との出会いはそれほど警戒しないようだ。

死にたい気持ちを吐き出し、生きようともがく場

警察庁によると、2018年の1年間でSNSを使って事件に巻き込まれた18歳未満の子どもは1811人。うち最も多い手段がツイッターで、全体の約4割を占める。ツイッターに絡む事件でいえば、最近では、座間事件や、行方不明だった大阪府の小学6年の女児が栃木県小山市内で保護された誘拐事件は大きく報道された。

「大阪の小学生が誘拐された事件に関しては、ツイッターで『助けて』と言えるのはすごいなと思いました。相手が希望を叶えてくれるのなら、それは事実上、誘拐じゃない気もします。もし、私の学生時代に、同じような家出をしたい立場なら、誘ってきた人を疑いはするけれど、“いい物件だな”とは思います。それで吉と出るかは、選び方次第かもしれないです」

友梨にとってSNSは「死にたい」という気持ちを吐き出す場だ。同時に、なんとか生きようと懸命にもがこうとする場でもあった。