「がんが治った人」の境遇にもっと関心を
ところが現状では一流企業であっても、「従業員ががんになったときどう処遇するか」というマニュアルがないところがほとんどです。ましてや、がんから回復した人の採用や再雇用について真面目に考えたことがあるのかと、がんを治す医者の側からは問わざるを得ません。
がんから回復した人の再就職や職場復帰が難しい現状は、その人本人にとってはもちろん、企業やひいては日本経済にとっても大変な損失です。「生涯現役社会」の到来によって、その実害はさらに大きくなることは目に見えています。
一人ひとりの働く皆さんにとっては、当面はがんになったぐらいで会社を辞めず、社に籍をおいたまま治療に向かうことが最善の選択となるでしょう。一方で、がんが治った人の職場復帰や採用について、多くの方々にもう少し関心を寄せていただければとも思います。