そして、絶対に言ってはいけないNGワードが『ご検討ください』。これを言ったら最後、ほとんどの場合は検討だけで終わってしまいます」
同社の顧客調査では、訴求してその場で返事をもらおうとしなかった場合の成約率は、BtoB、BtoCを合わせた全クライアントで13%以下、訪問販売の場合では5%以下という結果が出ているという。
「訴求をしない営業パーソンは、営業の役割を果たしていません。お客様に嫌われるのが怖くて、強い言葉でアプローチできない方もいらっしゃると思います。でも、『お申し込みください』『お切り替えください』といった直接的な表現で要求を伝えなければ、お客様もどう応えたらいいのかがわかりません」
訴求を理由で包んで納得度アップ
堀口氏は、人間にはピグマリオン効果という相手の要望や期待に応えたい、という心理がはたらくと説明する。
「要求が明確であればあるほど、そして、その要求が繰り返されれば繰り返されるほど、相手は要求に応えなければいけないと思うものなのです。だから、訴求することを恐れてはいけません」
購入を訴求するタイミングは、商品や料金の説明をしたすぐ後。「契約してください」「買ってください」などの直接的な表現にすることが重要だ。その際、「○○なので、どうかこの機会にご決断ください」というように「訴求」の前に「理由」を加えると、より効果的になる。
「私は『訴求を理由で包め』と言っています。
過去に、ドラッグストアを顧客とする、生活消費財メーカーのルート営業の人にコンサルティングをした例です。ドラッグストアの店舗の棚割で自社製品を置いてもらうように、どのように交渉するかが課題でした。このケースの場合は、新商品や、棚に増やしてほしい商品を紹介すると『考えます』『検討します』と、答えを先延ばしにされてしまう可能性がとても高い。
そこで、ドラッグストアの方に『○○様がドラッグストアの代表としてここにいらっしゃるのと同じく、私も○○社の代表としてここに参りました。ですので、今ここで、せめてお答えはください』と訴求するようにアドバイスしました。