まさに専横さで国会や国民を愚弄する安倍政権
この臨時国会閉会に絡めて各紙はさまざまな社説を書いている。
12月10日付の朝日新聞の社説は「説明責任を顧みず、論戦から逃げ回る。安倍政権の立法府軽視も極まった観がある」と書き出す。「逃げ回る」「極まった観」という言い回しは、安倍首相を嫌う朝日社説らしい。見出しの「政権の専横を忘れまい」というきつい表現にも朝日らしさが出ている。ちなみに専横とはわがままで横暴な振る舞いや態度を指す。数の力で野党の反対を押し切り、「安倍1強」とまで言われる安倍政権は、まさにこの専横さで国会や国民を愚弄してきた。
朝日社説は桜を見る会の問題には次のように指摘し、問題の究明を求める。
「政治の公平・公正に対する信頼は政策遂行の基礎である。税金で賄われる公的行事を、安倍首相が私物化していたのではないかという疑念を放置したまま、先に進むことはできない」
「首相の私物化」。桜を見る会の問題の本質はここにある。
「首相は本会議などで一方的に弁明することはあったが、一問一答で詰められる委員会質疑に応じることは最後までなかった。参院予算委員会で、自民党出身の委員長が提案した首相抜きでの質疑すら、与党の反対で実現しなかった。異様なまでの論戦回避である」
「一方的に弁明」「論戦回避」。国会中継を見ていると、朝日社説のこの指摘がよく分かる。
政権にとって都合の悪いデータを国会に出し渋る
菅原一秀経済産業相と河井克行法相自身による説明責任、それに首相の任命責任を取り上げた後、朝日社説は「政権にとって都合の悪いデータを国会に出し渋るのも、この政権の常套手段だ」と書き、こう指摘している。
「日米貿易協定の承認手続きは臨時国会最大の焦点だったが、野党が求めた経済効果の試算などは示されず、検討に必要な情報が十分にそろっていたとは言いがたい。成果を急ぐトランプ政権に配慮した来年1月1日発効ありきの審議だったというほかない」
安倍政権はトランプ大統領のアメリカ第一主義に大きく加担していると思う。そう批判されても仕方あるまい。
さらに朝日社説は「年間を通してみても、国会をないがしろにする安倍政権の専横ぶりは際立っていた」と批判し、野党が要求した通常国会の予算委員会開催や臨時国会の早期召集などの要求が無視されたことを挙げる。