よくデートをする両親の子[地方の中高一貫校→東大合格]
【ケース1:誠くん(仮名)】
・両親は共働き
・両親は身なりも会話も非常にスマート
・受験期の子どもがいても、夫婦でよくデートをしている
・保護者会などには必ず夫婦で参加
誠の両親の仲が良い姿を見る機会は多くありました。私が利用する地元のイタリアンレストランがあるのですが、よく、そこでお二人をお見かけしたのです。ご夫婦というよりも恋人同士で向き合っている感じでした。
子供の勉強については塾に任せてくれていて、ご両親が子供に勉強を教えるというようなことはなかったと思います。こちらが「もう少し頑張ってくれれば……」なんていう話をしても、お二人そろって「誠も誠なりに頑張っていますからね……」と。実におおらかというか、子供任せというか、いい意味での放任だったように思います。
印象的だったのは、授業と授業の間の夕食休憩の時に、主にお父さんがラップをかけたお皿をいくつか、お盆に乗せて持って来ることでした。子供の誕生日のような特別な日ならほかにも例はありましたが、塾と自宅が近い誠の家庭の場合はほとんど毎回。他の子が持参したお弁当で食事をしている中、誠ひとりがレストランのデリバリーのような状態で食事する。わが子に温かい物を食べさせたいという愛情ゆえでしょうが、「すごいなぁ」と皆で感心していました。
誠が受験するときは、本人も親も高望みをせず確実なところを受験しました。複数の合格を取る中で、愛媛県の私立の中高一貫校・愛光中学に進学しました。寮に入り親元を離れることになったのですが、特に抵抗感はなく誠はとても楽しそうでした。
誠は一人っ子だったこともあり、両親は、兄弟でもまれるような経験をたくさんさせたいと日頃から言っていましたので愛光中学校への進学は親子にとって良い選択になったようです。
卒業後もたまに塾に顔を出してくれましたが、いつもほんわかなマイペース。「成績はどう?」と聞くと「まぁ、真ん中よりも上くらい」がお決まりの返事でした。そんな誠が高校卒業後に持ってきた大学合格のニュースは、東大合格。驚きました。