超お気楽「飲んべぇ母さん」だから子供は医師や弁護士になれた

今回、10人のカリスマと呼ばれている中学受験塾専門の先生に「夫婦仲と子供の偏差値」に関して心当たりがあるかと聞いてみたが、先生方の多くが首を振った。「関係ないとは言わないが、特に感じたことがない」と言うのだ。

本当に夫婦仲と子供の頭の出来不出来はあまり関係がないのか。筆者は“寺小屋”のような地域密着型の塾で28年間、延べ1000人以上の卒業生を出し、毎年、多数の生徒を難関中学・学区トップ高校に送り込んでいる関東地方にある塾の代表であるTさんにじっくり話を聞くことにした。

Tさんは次のように語った。

【ベテラン塾講師Tさんが語る「夫婦仲と子供の偏差値との相関関係」】

この業界で40年近く仕事をさせていただいておりますが、夫婦仲が良くても子供の偏差値が低いことはザラでした。逆に、中学受験に全く関心を持っていない父親の愚痴を母親からいつも聞かされ続けていた子供の成績がよいケースもありました。夫婦仲のよしあしは偏差値とは関係ないのではないかと思います。

夫婦仲が良かったケースを思い起こしてみると、母親がお酒の好きな方で、子供が中学受験するにあたってもお気楽そのもので、それを旦那さんもよしとしているような家庭の子供が難関中学に受かるケースがあります。そしてその後、医師や弁護士になることもありますね。

写真=iStock.com/Yagi-Studio
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一方、夫婦仲が良くても、親2人で模試の偏差値を見ながら自分たちの経験をそこに重ねているようなケースは、子供は賢く育ちにくいかもしれません。今のお父さんお母さん世代は、もろに偏差値によって進路を決めてきた世代です。だから、結果を見る目がひと昔前と違ってキツイ。ご夫婦で「こんな偏差値とったことないよな」「そうそう」なんて、息があっていたら、子供はキツイと思います。その意味では、偏差値の数字を見てもあえて知らん顔しながら上手に操作できる保護者の子供は伸びる可能性が高いと思います。以下に、2人の塾出身者の実例を紹介しましょう。