東京初の“河川敷カフェ”をオープン
11月9日、「隅田川マルシェ」という1日限定イベントが開催された。江戸時代には「大川」とも呼ばれ、浮世絵にも登場する名所に沿って行われた催しだ。両岸に「花川戸会場」(台東区)と「吾妻橋会場」(墨田区)が設けられ、希望した出店者がフリーマーケットを運営。他に、大人の乗船料500円で回る「ワンコインクルーズ」なども開催された。
主催側(隅田川マルシェ実行委員会・イワタ マサヨシ委員長)は「隅田川を中心とした水辺のにぎわいを創出し、新しい文化圏を構築するソーシャルマルシェ」を掲げ、東京都建設局河川部、台東区、墨田区が後援。
すぐ横に店を構える「タリーズコーヒー隅田公園店」も協力した。ちなみにスタバの「雷門店」からは徒歩約10分という近距離だ。
「ここは、当社の経営理念で掲げる『地域社会に根ざしたコミュニティーカフェとなる』を目指し、6年前にできた店です。東京都の水辺に関する条例が改定された2013年、都内初の河川敷のカフェとしてオープンしました」
広報担当の山口さほりさん(タリーズコーヒージャパン広報室)は、こう説明する。こうした「地域の景観に合った店」はスタバが全国で積極的に展開しているが、実はタリーズも着実に進めているのだ。人々の憩いの場となる公園内の店なので、関連自治体はもちろん、近隣住民とも話し合いを続け、徹底して景観維持や環境への配慮を行ったという。
「例えば、堤防沿いにある店舗には、特別な軽い木材を使いました。経年変化で建物の間伐材成分が土壌や河川に染み込まないよう、耐久性と軽量性を両立させています」(山口さん)
建築後も、タリーズの担当者は定期的に都や区、地域住民との会合に参加する。当日は子どもたちに描いてもらった絵を貼り付け、壁面に大きなサカナを作った。取材当日は晴れて暖かく、散策日和となり、青い空とピンクのサカナのコントラストが鮮やかだった。