高価な傘を買えば、忘れ物は減る

1つ目は、2万円くらいの高価な傘を使うこと。安価な傘だと「絶対に失くしたくない!」というほど大事なものにはならないですよね。多くの人は、心から大事だと思っているものは忘れません。例えば、恋に落ちた相手との初回デートの約束は忘れないですよね。でも、結婚して何年も経つと時々約束を忘れてしまうこともあるでしょう(笑)。「重要性の認知」があるか否かは、忘れ物に大きく関係します。

2つ目は、傘をどこにも置かないこと。私は自分が忘れっぽいと自覚しているので、長傘ではなく折り畳み傘を持つことがほとんどです。電車に乗っているとき、折り畳み傘は鞄にしまっているので、忘れることはありません。

3つ目は、傘を持たないと降りられない状態で電車に乗ること。例えば、手すりに掛けるのではなく、自分の脚の間に挟むなどです。逆折り傘は自立するので、脚の間に置いておけます。「それをしないと目的が達成できない」状態とするのが、対策としては最強だと思います。

どの対策をするにしても、最後に「後ろを振り返る」のはお忘れなく。「自分は忘れ物をする人間なんだ」と自覚し、毎回確認するのです。電車内でずっとスマホを見ていた人が、突然あたりをキョロキョロして自分が降りる駅だとわかった瞬間、勢いよく電車を飛び降りたはいいものの、手すりに掛けた傘や網棚の荷物を忘れていった……という姿を見たことはありませんか。

人の注意力には限界があります。多くのことに同時に注意を配ることは難しく、どこかに注意がいくと情報処理のリソースが足りなくなり、ほかが疎かになってしまうものです。

だからこそ駅に着く前、とくに駅区間が短い路線では一駅前のタイミングで、ゲームや動画閲覧、読書など、それまで熱中していた活動をやめて、降りることに備え、余裕を持つこと。それが傘に限らずすべての忘れ物を防ぐひとつの手になると思います。

(構成=池田園子)
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