朝夕のラッシュ時間に満員電車で何十分も電車にゆられて通勤。それだけで疲れて仕事の生産性が落ちるという悪循環……。この“満員電車問題”は長らく指摘されてきましたが、一向になくなる気配がありません。なぜ、日本は満員電車を無くせないのでしょうか。企業の働き方改革やコミュニケーション改善の現場を知り尽くした沢渡あまねさんが、その理由を解説してくれます。
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到着した段階で無駄に消耗している日本人

日本の生産性の低さはあらゆる方面から指摘されています。世界の先進国の中でもきわめて低く、働き方改革の潮流の中で問題視されています。

その生産性の低さに追い討ちをかけるのが、満員電車の通勤。オフィスに到着した段階で、無駄に気力も体力も消耗してすでにヘトヘト。すなわち、仕事を開始する時点で既に私たち日本人は無駄なハンデを背負っているのです。

仕事のアウトプットの向上にも、プライベートの充実にもまったく寄与しない満員電車通勤。リモートワークなどテクノロジーを使った手段がこれだけ整備されてきているにもかかわらず、なぜなくならないのでしょうか?