【6人のグループ】

このくらいの人数なら、親密な打ち明け話や膝を突き合わせた議論ができる。わたしの主催する「若手経営者の会」では、6人のグループでお互いの問題解決を助け合っている。とはいえ、6人では多様な視点が足りないし、一人ひとりの負担が重くなる。全員がかなり頑張らないと、集まりが盛り上がらない。教会ではよく、6人程度の小グループで毎週夕食を共にしたり、祈りや苦労や喜びを分かち合う。そうすることで、教会がより身近な場所になる。

【12人から15人のグループ】

次のマジックナンバーは12人だ。12人ならまだ親密な信頼関係がつくれる規模だし、かしこまった会でもカジュアルな会でも、一人のモデレーターがグループをまとめることができる(大人数のミーティングでは、頭数を12で割ってファシリテーターが何人必要かを判断することが多い)。また、この人数であれば多様な意見も出るし、新鮮味ともの珍しさも感じられる。サステインド・ダイアローグでは、1グループはいつも8人から12人だった。アーサー王の円卓の騎士は12人。イエス・キリストの使徒も12人だ。アメリカ大統領の閣僚の数は、省庁の新設に伴う15人と副大統領だ。

12人を超えると、人間関係の問題が出はじめる

わたしの経験では、スタートアップでも頭数が12人を超えるあたりから、人間関係の問題が出はじめる。わたしはこれを「テーブル超え時点」と呼んでいる。一つのテーブルを囲めなくなるところまで組織が拡大する時点からだ。それまで予想もしなかった問題が起きるのがこのあたりだ。

以前、クライアントのテクノロジー企業でちょうどこの瞬間が訪れ、それまで仲良しだったグループのあいだに衝突や不信が起きるのを見た。社員が10人ちょっとだったときには、それぞれがそこら辺にある椅子に座ってテーブルを囲み、何でも話し合っていた。社員が20人になると、会議に参加できない人が出てきた。少人数の方が会議はまとめやすいが、一体感はなくなった。