iDeCoは老後資金づくりのための制度

毎月の収支が改善する分は、iDeCo(個人型確定拠出年金)に回したい。iDeCoは老後資金づくりのための制度で、給与などから一定額を積み立て、投資信託や預金商品などから自身で選んだ金融商品で運用。原則60歳以降に一時金や年金として受け取る。拠出額(積立額)は全額、所得から控除でき、税負担が軽減されるほか、運用益が非課税というメリットもある。

拠出できる上限額は自営業者か会社員か、また勤務先の年金制度などによって異なり、菅田さんは夫婦とも年間14万4000円が上限。毎月1万2000円ずつ、iDeCoで積み立てていくといい。積み立てられるのは60歳までで、48歳の菅田さん夫婦は12年間で約346万円を積み立てられる。一般に、年間の節税効果は年収700万円の夫(扶養家族2人)は年間で約2万9000円、年収300万円の妻(扶養家族ゼロ)は約2万2000円だ。

教育費は、子ども2人とも学資保険で200万円ずつ用意しているのであとは貯蓄で賄える。住宅ローンも、60歳前半に完済予定で金利も1%程度と低いので、慌てて返済しなくていい。教育費負担が増えることを踏まえ、繰り上げ返済をするより、貯蓄を減らさないことが大切だ。

深田晶恵(ふかた・あきえ)
ファイナンシャル・プランナー
独立系FP会社・生活設計塾クルー取締役。「すぐに実行できるアドバイスを心がける」がモットー。著書に『まだ間に合う!50代からの老後のお金のつくり方』など多数。