▼業界と会社の10年後を見通す経営書
書物や人から知恵を借り、「あるべき未来」を追求しています

共有型経済の先にあるもの

ロスリングほか『ファクトフルネス』(日経BP社)は、「データや事実にもとづき、世界を読み解いていこう」と提案する本です。ここでは人々の世界についての理解が、いかにイメージ先行であるかが鮮烈に示されます。経営者は思い込みに囚われると経営を誤ることになるため、事実に基づいて判断することが特に重要です。

LIFULL 社長 井上高志氏

一方、ディアマンディス、コトラー『楽観主義者の未来予測』(早川書房)は、何かと悲観的な未来予測が多い中で、「世界は確実に良くなっている」「水、食料、住宅、教育、医療、エネルギーなどが全ての人々に行き渡る世界は必ず実現できる」と説いています。

私の好きな言葉にアラン・ケイの、「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」があります。ケイはパーソナルコンピューターという概念を提唱し、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズに大きな影響を与えた科学者です。つくりたい未来を示し、「こっちに向かおう」と世界を引っ張り、実現する。私も「あるべき未来とはどんなものだろう」と思い描きつつ、日々努力しています。