ZOZO買収で国内ECトップを目指すヤフー
9月12日、ソフトバンク傘下のヤフーは、衣料品通販サイトの「ゾゾタウン」を運営する株式ゾゾ(以下、ZOZO)を約4000億円で買収すると発表した。ヤフーは、今回の買収でECビジネスを強化し、同分野で国内トップの地位を手に入れたいと考えているのだろう。一方、ZOZOは、創業者である前澤友作氏の言葉を引用すると、現体制よりもヤフー傘下に入ったほうがより成長できるとの判断に至ったとのことだ。
今後の注目点としては、巨額買収が想定通りの成果をもたらすことができるかだ。多くの課題があるが、中でも最も重要と考えられるのは、ヤフーがZOZOと自社の組織・経営風土をうまく調和させ、組織全体を一つにまとめることができるか否かだ。
近年のヤフーの経営陣には、かなり“焦り”が感じられる。ヤフーは、アスクルの社長再任などに反対し両社の関係がこじれた。そうしたやや強引といえるやり方を選択するほど、ヤフー内部には「早く成長を実現させなければ」との差し迫った認識が広まっているように感じる。ヤフーがZOZO買収を成長につなげるには、はやる気持ちを抑え、ていねいに組織をまとめていく姿勢が必要になりそうだ。