一番の強みは「突破力」

「あらがえない決定です」。ヤフーの川邊健太郎社長は、アスクル社長だった岩田彰一郎氏に、こう断言し退任を迫った。受け入れない岩田氏に対し「晩節を汚さないほうがよい」とも強調した。2019年6月27日のことだ。

時事通信フォト=写真
ヤフー社長 川邊健太郎氏

両社は2012年4月に資本・業務提携し、ヤフーはアスクル株の約45%を握る。川邊氏は約11%保有する文具大手プラスと連携。アスクルの個人向けネット通販「LOHACO(ロハコ)」をヤフーに譲渡しない岩田氏の排除に動いた。これにアスクルの独立社外取締役3人が反旗を翻す。「岩田氏再任はヤフー出身の役員も出席した取締役会での決定事項。ヤフーが資本の論理で覆すのは株主として無責任」と主張した。19年8月2日、アスクルの株主総会で岩田氏と、声を上げた独立役員3人の首が切られた。ただ、一般株主の大半は4人の再任に賛成票を投じていた。

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