「ポスト安倍」のライバルとは大きな差をつけた
安倍氏の女房役として7年近く官房長官を務めてきた菅氏。今年4月1日、新元号「令和」を発表した頃からは知名度が爆発的に上がり、7月の参院選での応援要請も引っ張りだこだった。その頃から「ポスト安倍」の有力候補という評価が盛んに報じられるようになったが、菅氏はその意欲を完全否定しつづけている。
しかし今回の人事で、政府内に子飼いの政治家を多く招き入れることに成功した。菅氏は、本人が望むかどうかにかかわらず「ポスト安倍」の有力候補となったのは間違いない。
マスコミは安倍氏が今回の人事で、菅氏と岸田氏、外相になった茂木敏充氏、厚労相の加藤勝信氏、防衛相に横滑りした河野太郎氏の5人が、閣内や党執行部に入り「ポスト安倍」を競うことになったともてはやす。今回の人事の経緯を見る限り、そのうち圧倒的に優位にあるのは菅氏だろう。
あとは菅氏が「その気」になるか。今のところ安倍氏と菅氏の間は良好ではあるが、2021年の総裁任期が近づいてきたときに、2人の関係がどうなるか。安倍氏から権力の座を禅譲されるのを狙うのか。それとも自ら奪い取るのか。菅氏は両方の選択肢を握りつつある。
そして菅氏を「ポスト安倍」の有力候補にあげながら、安倍氏の4選支援にも言及している二階氏が、今後どんな行動に出るのかも目が離せない。