政治家としてこれまで何を学んできたのか
朝日社説に戻ろう。
「丸山氏は外務省の韓国への抗議を『遺憾砲』と揶揄し、『朝鮮半島有事時を含め、自衛隊が出動し、不法占拠者を追い出すことを含めたあらゆる選択肢を排除すべきではないのでは?』とつぶやいた」
「憲法9条も国連憲章も、武力による国際紛争の解決を認めていない。この極めて重要な原則を、一顧だにしない発信を重ねることは、国会議員としてあるまじきことだ」
丸山氏は東大経済学部を卒業後、経済産業省に入った元キャリア官僚だ。2009年に退官して松下政経塾に入り、28歳で初当選。連続計3回の衆院議員当選を果たしている。普通なら将来を嘱望される若者政治家だ。それが「憲法9条」の内容も、「国連憲章」の意味も理解していないようでは情けない。政治家としてこれまで何を学んできたのだろうか。
「民主主義がポピュリズムに食われている」
さらに朝日社説は批判する。
「『議員失格』を衆院から宣告された丸山氏を、それと知って招き入れたN国の責任は極めて重い。立花孝志党首はきのう『表現の自由。問題提起の範疇』と述べたが、丸山氏の発言は言論の名に値しない。無責任な言いっ放しでもある」
朝日社説も沙鴎一歩と同じく、丸山氏を議員失格と批判し、N国党の立花氏を同罪とみなす。
最後に朝日社説は「糾弾決議を足蹴にされた格好の衆院は、この事態を見過ごしてはならない。与野党が一致して、議員辞職を迫る意思を明確に示すべきである」と訴える。
沙鴎一歩もこれに大賛成だ。
それにしても丸山氏や立花氏のような人物を選ぶ有権者がいること自体に驚く。7月9日付の記事「NHKや安楽死を名乗る党派が出てくるワケ」では、「民主主義がポピュリズムに食われている」と指摘した。この2人はそれ以前の問題だ。