そもそもEDの発症リスクの多くは、加齢のほか喫煙、肥満と運動不足などの不健康な生活と高血圧、糖尿病などの生活習慣病です。

不健康な生活の影響で動脈硬化が生じる

不健康な生活の影響で動脈硬化が生じると、海綿体の血管がガチガチに固くなって拡張不全を起こし、勃起を維持する血流を確保できなくなってしまうのです。

当然ですが、ペニスの血管だけが動脈硬化を起こしているとは考えられません。

男性の体のなかで最も細いペニスの動脈が真っ先に詰まった後は、2番目に細い心臓の冠動脈が、さらに脳に血液を運ぶ頸動脈と、ドミノ倒しのように心筋梗塞や脳梗塞を起こしかねないのです。実際、EDがある人では心血管系の病気による5年後の死亡率が2倍以上になるというデータも出ています。

一方、ED治療薬は、血管の拡張を促進する作用があります。EDではこの作用が勃起の持続に働き、全身の血管では動脈硬化の改善と進展予防が期待できるわけです。

(構成=医療ジャーナリスト・井手ゆきえ 写真=iStock.com)
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