子どもたちに国産大豆の価値を伝える取り組み

そのひとつが、子どもたちに国産大豆の価値を伝える取り組みです。大豆を通して子どもたちの食育を支援する「だいずきっず」を設立したほか、障碍者支援にも力を入れています。地元養護学校の子どもたちが描いたデザインを包装紙やパッケージに利用し、その売り上げの一部を還元しています。

「忘れてはいけないのは、これまで1丁100円の豆腐、1枚10円の油揚げを買ってくださった地元のお客様の支えです。ですから、私たちは地域に恩返しする義務があります」

地方の“豆腐屋さん”が実践する経営は、社会的貢献と企業としての成長を両立させています。

▼ポイント:技術開発とガバナンスで、成長と社会貢献を両立

会社概要【おとうふ工房いしかわ】
●本社所在地:愛知県高浜市
●資本金:9900万円
●売上高:51.3億円(2015年度)、50.3億円(16年度)、51.3億円(17年度)
●従業員数:520名
●沿革:明治年間、初代石川兼三郎創業。1991年、有限会社おとうふ工房いしかわ設立。99年、株式会社化。
磯辺剛彦
慶應義塾大学大学院 経営管理研究科教授
1958年生まれ。81年慶應義塾大学経済学部卒業、井筒屋入社。96年経営学博士(慶大)。流通科学大学、神戸大学経済経営研究所を経て2007年より現職。企業経営研究所所長を兼務。専門は経営戦略論、国際経営論、地方創生論。
(撮影=山口典利、浮田輝彦)
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