佐賀・嬉野。温泉とお茶の町として古くから知られ、福岡市内から1時間強、長崎県大村市とも隣接するアクセスの良さもあり、由布院(大分)、黒川(熊本)と並んで、九州北部の温泉街として発展してきた。

大村屋は天保元(1830)年創業、嬉野で最も歴史のある老舗の温泉旅館だ。当主の北川健太氏(34歳)は25歳で事業を承継した。

当時の嬉野温泉はリーマン・ショックによる社員旅行などの団体客の減少の影響を受け、80軒以上あった旅館は33軒にまで減少。次の一手が求められるなか、北川さんは、「湯上がりを音楽と本で楽しむ宿」というコンセプトを打ち出し、宿泊システムの見直し、客室改修などの改革を実施した。