丸山議員が「アルコール依存」であると言える科学的根拠

アメリカ精神医学会による最新のアルコール使用障害(現在では依存症と呼ばず、使用障害とされている)の診断基準(DSM-5)は下記である。以下のうち少なくとも2つが、12カ月以内に起こるとアルコール使用障害の診断を受けることになる。

1. アルコールを意図していたよりもしばしば大量に、または長期間にわたって使用する。
2. アルコールの使用を減量または制限することに対する、持続的な欲求または努力の不成功がある。
3. アルコールを得るために必要な活動、その使用、またはその作用から回復するのに多くの時間が費やされる。
4. 渇望、つまりアルコール使用への強い欲求、または衝動
5. アルコールの反復的な使用の結果、職場、学校、または家庭における重要な役割の責任を果たすことができなくなる。
6. アルコールの作用により、持続的、または反復的に社会的、対人的問題が起こり、悪化しているにもかかわらず、その使用を続ける。
7. アルコールの使用のために、重要な社会的、職業的、または娯楽的活動を放棄、または縮小している。
8. 身体的に危険な状況においてもアルコールの使用を反復する。
9. 身体的または精神的問題が、持続的または反復的に起こり、悪化しているらしいと知っているにもかかわらず、アルコールの使用を続ける。
10. 耐性、以下のいずれかによって定義されるもの:
(a)中毒または期待する効果に達するために、著しく増大した量のアルコールが必要
(b)同じ量のアルコールの持続使用で効果が著しく減弱
11. 離脱、以下のいずれかによって明らかとなるもの:
(a)特徴的なアルコール離脱症候群がある。
(b)離脱症状を軽減または回避するために、アルコール(またはベンゾジアゼピンのような密接に関連した物質)を摂取する。

「公職に在職している間は、公私ともに一切酒は飲まない」を反故

最初は2杯でやめておこう、2時間で帰ろうと思っていても、それができないのは、この診断基準の1に当てはまり、依存症の症状のひとつと考えられる。

丸山議員の場合は、2015年12月末に居酒屋で酒を飲み、一般男性と口論になり、相手の手をかむなどのトラブルを起こしたことを受け、「公職に在職している間は、公私ともに一切酒は飲まない」と明言したことがあった。

ところが今回、酒を飲んでトラブルと起こしたとすれば、診断基準の5に当てはまる。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/invizbk)

また、昼間からウオッカを飲んで酔っ払っていたとも報じられており、これは診断基準の1に当てはまる。

つまり、丸山氏に関しては少なくとも2項目は該当する(おそらくは、もっと多いだろう)。精神医学の立場からみると、丸山議員は立派なアルコール依存症である。