「仕事と育児の両立」と「仕事と介護の両立」は違う

みなさんの会社には、10連休が終わって、仕事の勘が戻らない社員もいるのではないでしょうか。長期休暇は特別な話ではなく、それまでバリバリ働いていた人が、家庭の事情で以前のように働けなくなることもしばしば起こります。仕事と育児や介護の両立は、その最たるものでしょう。企業は育てた人材の離職を防ぐため、両立のためにさまざまな支援をしています。

育児に協力し、保育園への朝の送りを担当する父親も増えた。(PIXTA=写真)

しかし、仕事と育児の両立と、仕事と介護の両立への支援を、同じように考えている企業は少なくありません。実際には、それぞれに必要な支援はまったく異なります。端的にいえば、育児では本人が直接育児にかかわれるように支援するのに対して、仕事と介護の両立では、本人が直接介護にコミットしなくてもいい体制を整えるための支援、と考えるべきでしょう。それに伴い、会社として取るべき両立支援のアプローチはまったく異なってきます。