外資系「内部で育成したほうが定着率もロイヤリティも高い」

また、前出の人事責任者は「新卒のメリットはそれだけではない」と言う。

「内部で育成したほうが転職者よりも定着率も会社に対するロイヤリティも高くなります。新卒を将来の幹部候補として育成する外資企業も多いのです。たとえばGEのジャック・ウェルチ、次のジェフリー・イメルトも第二新卒で入社しています。史上最高の業績を残したIBMのサム・パルミサーノも新卒で入社している。とくに米国の東部の大企業は新卒を重視しており、生え抜きの社長も多いのです」

じつはアメリカ企業の中には一時期、日本企業の新卒重視の雇用慣行を取れ入れたケースも少なくないという。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/BartekSzewczyk)

社内にいないスキルの持ち主を外部から採用することも必要だろう。将来の基幹要員となる新卒と中途を組み合わせたハイブリッド型の採用は、経営的観点からも企業の人材基盤を強固にする可能性を持っている。

中途採用を増やせ、という議論は結構だが、極端に中途採用に偏ると、企業の弱体化につながるだけではなく、「新卒無業」の若者が増える恐れがあるのだ。

(写真=iStock.com)
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