人に会って、人を見極める。それが投資という仕事の「職務記述書」なのだなと思った。

同時に、これは何かに似ていると思ってはっと気づいたのが、大学などの学校の学生選びのプロセスである。

日本の教育もようやくペーパーテストの点数一本槍の選抜から、AO入試に大きく舵を切ろうとしている。

学校側から見れば、よい学生を集め、育てたい。今までのようにテストの点数だけで選ぶのは一番手間がかからないが、それでは時代に合わなくなってしまった。

これからは、外国の有力大学がすでにやっているように、よい学生を見つけて、その将来に「投資する」という積極的な行動をとる大学が増えていくのだろうと思う。

オンラインの授業をとっていて、とても優秀な成績だったモンゴルの高校生に入学のオファーをしたり、数学オリンピックの上位入賞者に声をかけたり。世界の有力大学は、そのような学生探しの努力をしている。

これからの時代に求められる人材を探すためには、待ちの姿勢ではダメで、自分から積極的に人を探しにいかなくてはならない。入学者選抜から、ベンチャーキャピタルまで、人を見極め、寄り添い、成長させるということが普遍的な「職務記述書」になっていくだろう。

時間や興味の「投資先」の人を選ぶという視点から自分の仕事や生活を振り返ると、新しい世界が開かれていく。ベンチャーキャピタルは、その1つの象徴である。

(撮影=横溝浩孝 写真=PIXTA)
【関連記事】
"起業したい病"の若者が見落とす重要視点
モンスター親をふるい落とす名門校の質問
頭がいい子の家は「ピザの食べ方」が違う
親世代とは大違い"首都圏名門私立"の凋落
"メンタルが強めな人"にある3つの超感覚