中東の動乱、超円高、食糧高騰……揺れ動く世界の中で、5年後、10年後の資産を殖やすにはいま、何に投資すればよいのか。来日したロジャーズ氏に語ってもらった。
――中国の名目GDPが日本を抜いて世界第2位になったこと、米格付け会社「スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)」が日本の長期国債を「AAマイナス」に格下げしたことが大きなニュースになりました。早くから中国経済の可能性に目を向けてこられたロジャーズさんは、この現状をどうご覧になりますか。
Jim Rogers●投資家。1942年生まれ。イェール大学卒業後、オックスフォード大学ベリオル・カレッジ修了。米陸軍に従事した後、ウォール街で働く。ジョージ・ソロスと投資会社クォンタムファンドを設立、10年間で4000%を超えるリターンを実現。37歳で引退し、世界を旅して回る傍ら、コロンビア大学で教鞭をとる。著書に『中国の時代』『人生と投資で成功するために』など。現在、シンガポール在住。
中国のGDPが世界第2位の規模になったことが、なぜ日本で大きなニュースになるのですか? その理由がわかりません。中国の経済が爆発的に成長していることは、20年前からわかっていたはず。あと10年か15年で一位のアメリカをも追い抜くほどの勢いなんですよ。なのに、何をいまさら……と思いますね。
「わかっているが認めたくない」という感情なら理解できなくもないですが。
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