何が勝ち組と負け組を分けるのか。雑誌「プレジデント」(2017年3月6日号)の特集「『働き方』全課題60」では、「超一流の仕事術 全解明」として、より成果を上げるためのノウハウを各方面のエキスパートに取材。今回は、リクルートキャリア・シニアコンサルタントの高橋紀夫氏が「転職できるスキル」について解説する――。
まず、課長級以上の転職では英語でコミュニケーションできることが必要とされます。それに加えて求められるのが実績ですが、特に最近では「問題解決能力」が求められています。
目の前の課題を発見し、周囲を巻き込みながら、効果的な手を打つ。失敗を乗り越え、そこから得た教訓を汎用化する。面接時に、問題を乗り越えた経験を自分の言葉で表現できる人は、内定を獲得できる可能性が高まります。この能力は、面接だけでなく職場でも発揮されるからでしょう。転職希望者のうち約2割がこういう人材です。転職を優位に進めるために、まずはいまの仕事での経験を言語化してみるのをお勧めします。
5年ほど前までは35歳転職限界説がささやかれていたようですが、最近は、経験や実績によってはそれ以上の方も増えています。その背景には、プロパー人材に頼らず、グローバル化や新規事業の創出など、具体的な課題を解決できる人材を、業界の枠を超えて積極的に登用しようという企業の意識があります。逆に、30代中盤で部長級のポジションを用意する例も増えています。
現在、アベノミクスのおかげか有効求人倍率は高止まり、売り手市場が続いています。転職を含めて、どのようにキャリアを積んでいくのか考えるにはいいタイミングになっているといえます。
▼問題解決能力があれば「35歳以上」も採用される時代に
(構成=荻野進介 撮影=研壁秀俊)