憲法改正は「残りの2年」でやり遂げるつもりか

安倍首相は最近、側近に「参院選が終わったら、(自身の総裁任期までの)2年間はやりたいことをやる」と伝えている。側近は、その時、安倍首相の発言の意味をよく理解できなかったようだが、憲法改正は「残りの2年」でやり遂げたいという決意を語ったのではないか。

もし、それが実現した場合、安倍氏は、沖縄返還を実現した大叔父の佐藤栄作元首相と肩を並べ、最も尊敬する祖父・岸信介元首相が成し遂げられなかった憲法改正も成就することになる。

ただし、これはあくまで絵に描いた餅。海千山千のプーチン氏が簡単に2島返還に応じるとも思えないし、任期が残り少なくなれば政権の求心力が低くなることも歴史が証明している。目指す山が高ければ高いほど、失敗したときのリスクは大きい。

来年は亥年。12年に1度、統一地方選と参院選が行われる年だ。過去の例では亥年の参院選は自民党が敗れることが多い。功を焦るあまり、強引な手法でレガシーづくりを進めることになれば、安倍首相は一気に求心力を失うことになるだろう。

11年前の亥年。安倍氏は1回目の首相として迎えたが参院選で惨敗した後、体調を崩して辞任に追い込まれている。

(写真=EPA/時事通信フォト)
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