辛い節約はしたくない。楽に貯められる方法はないものだろうか。そんな多くの人の悲痛な声に対し、達人たちが立ち上がった。楽しくお金を貯めるには、従来の常識を疑うことから始めるべし。節約の概念が180度変わる、意外な方法を披露する。

節約法のポイントは、「楽しみ」を削らないこと

「お金は無理せず貯められる」と断言するのがファイナンシャル・プランナーの飯村久美氏だ。

写真=iStock.com/liza5450

「ストレスになる節約は絶対に続きません。私も以前は赤字体質で、がんばって家計を切り詰めているのに、お金が貯まらない時期がありました。こんなにがんばっているのになんで赤字なの! といつもイライラ。もちろん挫折しました。そんな経験から、楽しくて長く続けられる節約法がないかと、自分と向き合いながら考えたのです」

飯村氏の節約法のポイントは、「楽しみ」を削らないこと。

「最もやってはいけないのはお小遣いを減らすことです。減らすなんてもってのほかで、あえて増やすことをお薦めします」

40代の夫婦が、飯村氏の方法を実践しながら6年間で1000万円貯めたという事例も。

「総務省の家計調査では、60歳以上の夫婦無職世帯の赤字は月々約6万2000円。老後を25年間として計算すると、約1800万円不足していることになります。私は定年までに貯める目標額を2000万円に設定。今から“貯まる生活”にシフトすれば、この老後資金をつくるのは難しくありません」

一方、企業コンサルタントの石川貴康氏は「生活の質を上げたら、使うお金が減った」そう。

「洋服や靴はよいものを買って長く使う。だから、めったに買いません。有機野菜の宅配を頼んでいて、外食することはほとんどなくなりました」

普段から、Reduce(減らす)、Reuse(再利用)、Recycle(再循環)の“3R”を意識して生活。

「物を使い捨てしないようにしています。例えばわが家では、ティッシュペーパーはほとんど使いません。無理しているわけではなく、これが自分たちにとって気持ちいい生活なんです」