自分よりもデキない同僚が仕事を任されている。おかげでイライラして仕事が手に付かない――。なぜこうした状況に陥るのか。心理カンセラーの大嶋信頼氏は「それは脳が『嫉妬の発作』を起こして、幼稚園児が駄々をこねた状態になっているからだ」という。嫉妬心から解放されるために効果的な方法とは――。 

※本稿は、大嶋信頼『消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法』(すばる舎)の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/tuaindeed)

自分より同僚が大切にされている気がする……

以前、会社に勤めていたときのことです。私よりも仕事ができない同僚が「上司からいい仕事を任されている」のを見て、「なんで?」と思ってしまいました。いつも上司に気を使って、仕事だって一生懸命にやっているのに、上司は同僚のことばかり気にかけていて、ちっとも私に気を使ってくれません。

食事に行ったときも、上司は同僚がいないのに気がついて、「おい! アイツはどうしたんだ?」と私に聞いてきます。「え? 私じゃダメなんですか?」と悲しい気持ちになります。

「どうして、アイツばかり優遇されているんだ!」とだんだんイライラが止まらなくなって、仕事に行くのも嫌になります。

上司から注目されたって、なんの得にもならないことはわかっているし、やっている仕事の内容は変わらないはず。でも、「上司からアイツのほうが優遇されている」と思うと、自分のこれまでの仕事の功績も、仕事ができないあの同僚に奪われるような感覚になります。

ちょっと考えたら「上司は優遇しているんじゃなくて、仕事ができない同僚をなんとかしてあげたい、と思っているだけ」というのはなんとなくわかるのです。それなのに、「許せない!」と、同僚のことも上司のこともものすごく嫌いになって、「こんな仕事辞めちゃおうかな?」という破壊的な気分になってしまうのです。

嫉妬するとき脳内は「子ども」に

誰かに嫉妬しているとき、脳内では神経ネットワークが過剰に活動している状態です。神経ネットワークの過剰な活動によって、脳内の電流が記憶を整理している海馬を「ビビビッ」と感電させると、「子どもみたいになって嫉妬が止まらなくなる!」という現象が起きます。

記憶を整理させる部位が電気刺激を受けることで、「子どものときの記憶に戻ってしまう!」ということが起きるのです。そのため、嫉妬しているときは、子どもみたいな精神状態になるのです。だからよけいに嫉妬の発作が止まらない。ここで「発作」という表現をするのは、嫉妬が動物的な反応で止めようと思っても止めることができないからです。

幼少期に、親からケーキのイチゴを多めにもらった弟に対して、「ずるい!」と嫉妬していたような感覚で、自分よりもはるかに早く出世した後輩に、「ずるい!」と嫉妬してしまって、「絶対にアイツはおかしい! いじわるしてやる!」というような幼稚な考えしかできなくなってしまいます。