「俺は○○票持っている」と言う人のほとんどは口だけだ

ただし、自民党は「自分党」。基本的に、自民党の議員たちは自分たちにメリットになることしかやりません。あなたを応援して、自分に何のメリットがあるのか。ここをシビアに見られます。

あなたを当選させたとして、今後あなたの近くで権力行使に関与できるのか。あなたを応援することで、それが自分の知名度を上げ、今後の選挙に有利になるのか。ここをしっかりと見るのが自民党の議員たちです。これはある意味、自民党の強さでもあります。

ですから、あなたが当選後、自分の思いを基本に、思い切った政治行政をやりたいというなら、選挙運動において自民党とどれくらいの距離を取るのかは重要です。

事前に選挙実務を勉強して、自民党の指揮官に頼り切りにならないようにする。実際の運動は自分が集めた友人・知人たちの運動員に頑張ってもらう。ここで自分がどれだけ自民党から自立した選挙ができるかで、その後の自分の自立性が決まってきます。

ほんと自民党の議員たちは、自分の利益になるときにしか頑張りませんから、注意が必要ですよ(笑)。自民党の議員に頼り切るのではなく、自分で戦える体制を整える努力をする。国防と同じです。アメリカに頼りっきりの日本は、アメリカからは完全に自立できない。もちろん完全に自立することが全て良いわけじゃないですが、できるかぎり自分のことは自分でやる、という基本原則はしっかり押さえる必要がありますね。それでも、やっぱり自民党の看板を使えることは、物凄く選挙でプラスになるでしょうね。

問題は、選挙に出馬しようと思うと、まあ色んな人が寄ってくることです。あなたが当選の見込みありとなれば、権力に近づこうとする人が、電灯に集まる蛾のように集まってきますよ。

そこで彼ら彼女らが必ず言うことは「俺、私は、○○票を動かすことができる」ということです。そして有力な政治家といかに距離が近いか、有名企業の社長といかに距離が近いかを誇示します。その人自身、ある程度の肩書をもっていることも多いです。

でも、はっきり言います。今、選挙に影響するほどの票を動かせる人は、創価学会の幹部くらい。あとは口だけだと思っていて十分です。色々な業界団体の幹部も近寄ってくるでしょう。確かに団体によっては、団体の統一方針に基づいて、ある特定候補に票を集めることができるところもあります。

しかしそれは選挙を決定的に決めるほどのものではありません。『政権奪取論』にも書きましたが、そのような団体票は一定数存在することは間違いありませんが、それ以上に無党派層の票の方がはるかに多いですし、団体のメンバーの中には、団体の統一方針に従わない者も多い。

(略)

もちろん、あなたが旧来型の自民党的な政治をやりたいなら、業界団体や、このような有名企業の社長連中とがっちりとタッグを組んで下さい。

しかし、旧来型の政治とは異なる新しい政治をやりたいというなら、自民党との距離感と同じく、業界団体や企業の社長連中との距離感も重要になってきます。