新しいプロジェクトを立ち上げたい――。そう考えても、ときに上司が「壁」として立ちはだかる。上司の心を動かし、味方に変えるにはどうすればいいのだろうか。今回、上司を「劇場型」「個性派」「朝三暮四」「サンドイッチ」の4タイプに分類。実際に「壁」を乗り越えたヒットメーカーの話をもとに、攻略法を探った――。

軸は「キャリア志向」と「権限委譲」

キャリア教育を専門とし、上司と部下の人間関係についての著書もある大学教授・小松俊明さんが、上司のタイプを4つに分類してくれた。

「キャリア志向と権限委譲を軸にして4タイプに分類してみました。この2つの指標は典型的なもので、自分の上司を理解しようとするとき、まず大事になってきます。おそらく現実的に女性が上司とのコミュニケーションで苦労するのは、ここの理解ではないでしょうか。この傾向を読み間違えると、上司とうまくいかず、男性のライバルにも差をつけられてしまいがちです」

自分の上司を観察し、どのタイプか見極める。そして、その上司に合わせて対応を変えていくのが、部下としてのサバイバル術になる。

「例えば、ふだんは話のわかる上司なのに、リスクを取る戦略や新しく何かをやる段になると、途端にロジカルでなくなる人がいます。それはキャリア志向が高いがゆえに、失敗したくないから。キャリア志向というのは、要するに“出世欲”です。課長以上のポジションにいる多くの人は、出世したいと考えているもの。定年間近などの事情で、出世を望まない人もいますが、自分の上司がどのぐらいキャリア志向が高いのかを見極めるのは大事です」

権限委譲という指標も、上司を理解する際に有効なキーワード。

「権限委譲というのは、どれだけ仕事を任せてくれるかということ。たとえ仕事ができても、『これは自分でやったほうが早い』と考え、部下に仕事を回さない上司もいる。それは権限委譲が少ないタイプです。逆に、権限委譲が多い上司は、人の使い方がうまく、部下のポテンシャルを引き出してくれます。ただ、うまく使われて切られてしまうこともありますね」

具体的に、それぞれの上司への対処法を考えてみよう。