「ホテル事業に参入してからは、航空会社を参考にした」

──誇りを持ったおもてなしは、AIでは代替できないものでしょうか。

AIなどIT分野がいくら進化しても、やはりホテルは究極のサービス業であって、人をおもてなしするのは人でしかできません。癒やしの気持ちをAIに持ちなさいと言っても、人間には勝てない。会話、笑顔、触れ合い、名前を覚える。そういったことを大切にするホテルでありたい。いわば、お客様との連帯感、社員同士の連帯感、会社との連帯感を持つことが大事なのです。これまで私は同業他社の真似をせず、先を行く他業種から経営を学んできました。マンション販売のときは、外国車メーカーを参考にしました。ホテル事業に参入してからは、航空会社を参考にしています。飛行機の座席もホテルの部屋も今日のものを明日売ることはできません。だからこそ、人によるサービスによってブランド力をつけなければならない。もし収益力が落ちたとしても、サービスの質だけは変えたくないと考えています。結局は「人」なのです。

▼QUESTION
1 生年月日、出生地

──、石川県小松市
2 出身高校、出身大学学部
石川県立小松高校、慶應義塾大学経済学部通信教育部中退
3 座右の銘
逆境こそ光輝ある機会なり
4 最近読んだ本
『保守の遺言』西部邁
5 尊敬する人
織田信長
6 私の健康法
信念に基づき、思ったことはそのまま言う。遊びを仕事に、仕事を遊びに
元谷外志雄(もとや・としお)
アパグループ代表
石川県生まれ。慶應義塾大学経済学部通信教育部に入学するとともに、小松信用金庫(現・北陸信用金庫)に入社。27歳で独立し、71年、信金開発(アパグループの前身)を設立。現在、マンション、ホテル、リゾート事業など、18の企業からなるアパグループの代表を務める。
(構成=國貞文隆 撮影=市来朋久)
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