「外資系大手の日本法人には日本の法律に則った企業年金制度がありますが、比較的規模の小さい会社は本国の親会社に年金制度があっても現地法人にはないところも少なくありません。退職一時金制度はありましたが、企業年金は長く支払うのでコスト要因になると親会社が嫌がるのです。日本法人の経営者の力量も大きい。実際にヨーロッパなどほかの国の法人には企業年金がありましたし、自分がクビになりたくないから本社に強く言えないのです」

三浦さんは後輩の社員たちに「君たちは企業年金がないのだから、そのことを前提に老後の生活設計をしないといけない」と機会があるごとに言っていたという。

その三浦さんの現在の収入は公的年金が月額約20万円。それ以外に米国勤務時代に加入していた米国の年金が、日本円で月額約17万円もある。「アメリカでは警察官や消防士などパブリックサービスの従事者でも20年間勤務すれば年に2万5000ドルから3万ドルの年金が終身で出ます。私はその3分の2ぐらい。ドルで振り込んでくるのでレートによって変動しますが」。

月額の収入は約37万円。年間で444万円だが、もちろんそれだけではない。不動産収入と合わせると年収は850万~900万円の間だという。

「老後は公的年金と企業年金を合わせて年間500万円は欲しいと皆さん言いますよね。大企業を定年まで勤めた知人にも500万~550万円の人が多い。それでも結構お金の使い道を気にしながら生活している。少しでも余裕を持ちたいのであれば、自分で考えて早めに手を打つべき。すべてを会社に依存し、先輩や後輩とつるんで土日にゴルフばかりしているようでは、老後は大変です」と警告する。

▼三浦さんの月収入内訳
・国民年金+厚生年金20万円
・米国年金17万円
⇒約37万円/月
(撮影=研壁秀俊)
【関連記事】
誰も知らない24業種企業年金ランキング
老後に働きすぎると年金は支給停止になる
"毎月10万円"がないと絶対に老後破綻する
FPがガチで勧める高金利商品ベスト10
定年後の年金格差「約7735万円」の現実