親は「わが子かわいさ」でしばしば暴走しがち

3 自分の子どもだけが“被害者”であるという思考をいったん捨てる

大抵の親はわが子の話をうのみにしてしまう。わが子の話だけが真実だと思い込むのだ。筆者から言わせれば、子どもは100%、自分に都合の良い事しか言わないのである。それは、子どもは俯瞰で物事を見ることができないからだ。

特に一方的に被害者だと主張して、気に入らない相手の退学や出席停止を学校側に求めるという「無理」は止めたほうが賢明である。

まずは冷静になることだ。そのうえでニュートラルな立場から、この問題はどう映るのか、という点に絞って交渉したほうがいい。

4 時間泥棒にならない

大抵の先生は“聞く耳”を持っている。しかし、保護者の態度いかんで“聞く耳”を閉じてしまう。例えば、Aという出来事があり→Bという問題で悩んでいるので→Cという解決法を提示され、その日はいったんお開きになったとしよう。

「やれやれ、一件落着」と教師が腰を上げようとした瞬間に、再び、延々と「Aという出来事」から戻る「無限ループ親」が出現するのだ。間違いなく、先生の「うんざり指数」はマックスになる。現実には、カウンセラー役をつとめざるをえない先生は多いが、教師は親の無料カウンセラーではない

「先生は人生の貴重な時間を自分のために割いてくれているのだ」という態度で臨む親には、先生という人種はとてつもなく親切である。

5 物は言い方次第、伝え方次第ということを学ぼう

ある時、中学校でイジメが露呈した。その時、被害者の親は学校に怒り心頭で現れ、担任教師に開口一番、こう言った。

「そのイジメをしている非常識な家庭はどういう家庭だ? 住所と家族構成を教えろ」

このひとことが担任の態度を硬化させてしまった。先生はこう言った。

「個人情報保護法の観点から申し上げられません」

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そして、先生は親身とは程遠い対応になってしまったという。やはり、大人としてあるべきモノの言い方と振る舞い方というものがあるのだ。

先生が何らかの加害者であるならば別だが、そうではない中立な立場ならば「絶大なる協力者」というポジションに就いてもらわなければならないのだ。そのためには敬意を欠かしてはいけない。

さらに言えば「完全勝利」を狙わないということを挙げておこう。相手ありきの交渉事に完全勝利はない。つまり、あらかじめ落としどころを決めておく「作戦」が必要なのだ。

親は「わが子かわいさ」でしばしば暴走しがちだ。「自分がいて、人もいる」という社会の当たり前を今一度、確認して、気持ちを落ち着かせよう。要点を絞って相談するなら、先生や周囲の人たちは、必ずあなたの協力者になるはずだ。

(写真=iStock.com)
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