名を成す人や社会的な成功を収める人は、子供だったとき親からどんなフォローを受けてきたのか。キャリアコンサルタントの菅原亜樹子さんは「一流の人は小さい頃に好きなことに打ち込み、親はそれを全面的に応援し、否定しない」と話す。その流儀とはどんなものか――。
何かに熱中し没頭する子供は「一流」になる
スポーツ選手やアーティスト、漫画家、将棋棋士、起業家、宇宙飛行士など、その道を究めてきた人々は、どんな子供時代を過ごし、親はどのように関わったのか。
キャリア教育を通して子供たちをサポートするNPO法人「夢さがしプロジェクト」代表の菅原亜樹子さんは、これまでに150人あまりの著名人にインタビューし、『夢さがしエトセトラ』『だから、一流。』といった著書にまとめてきた。
菅原さんは、名を成した著名人の「子ども時代」を振り返ることで見えてくるものがあったという。それは「彼らはとことん好きなことに打ち込み、親はそれをとことん応援していた」ということだ。
▼子供のまっすぐな思いを否定しない
例えば、宇宙飛行士の星出彰彦さんは、菅原さんに取材され「小学生の時にアニメ『宇宙戦艦ヤマト』の世界に夢中になった」と答えた。そして、小学校4年のときに「宇宙飛行士になって、宇宙に行きたい」と作文に書いたそうだ。
当時、まだ日本人の宇宙飛行士は存在しなかったが、その後もずっとこの夢を持ち続け、家族もそんな星出少年の様子をずっと見守りながら応援したそうだ。菅原さんはこう語る。
「子育て中の親御さんに私がアドバイスできることは、お子さんが何かをやってみたいと言い出したとき、その思いを理解し応援してあげることです。『難しいから無理じゃない』『やめておいたら』と、心配になって言いたくなる場合があるかもしれませんが、まずはお子さんのまっすぐな思いを否定せず、自信を持たせてあげることが大切です」