10年で売上高は20億円から600億円に

7月10日、EMS（電気刺激を用いた筋力トレーニング）機器「シックスパッド」や美容ローラー「リファ」を手掛ける、株式会社MTGが東証マザーズ市場に新規に上場した。シックスパッドに関しては、人気サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウド選手を用いたコマーシャルでご存じの方も多いだろう。

シックスパッドのインパクトが強いため、「MTGはトレーニング機器メーカー」と見る人は多いだろう。だが、同社の活動を見ると、健康や美容面を中心にした「自己ブランド」を開発する企業と考えたほうがよさそうだ。MTGの設立は1996年。シックスパッドやリファなどのブランドを次々に展開し、この10年で売上高は約20億円（2008年9月期）から600億円（2018年9月期見込。2017年9月期は453億円）にまで成長した。

時価総額でもメルカリに次ぐ“ユニコーン企業”

MTGはメルカリと並び、わが国を代表する“ユニコーン企業”と言われてきた。ユニコーン企業とは、企業価値が10億ドル（邦貨換算額で1100億円程度）以上ある未上場企業をいう。ユニコーン企業は、先端のテクノロジーなどを用いて画期的なプロダクト（ヒット商品）などを提供し、将来的な成長が期待されている新興企業と考えればよい。

IPO（新規株式公開）の当日、MTGの株価は5800円の公開価格を上回り、7350円で引けた。これを見る限り、成長を期待する投資家は相応にいる。MTGがその期待にこたえるために、さまざまな分野の新しい発想や、最先端のテクノロジーを動員して、新しいヒット商品の創造を目指すことが求められる。

EMSトレーニング機器の「シックスパッド」（MTGのプレスリリースより）
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