面白いことに、この4タイプを用いて歴史上の人物を見ていくと、彼らの行動や思考様式、歴史的事件の背景などが理解しやすくなります。さらに相性のよしあしもわかり、職場の人間関係の分析にも活用できるようになります。それで各タイプに該当する代表的な戦国武将と幕末維新の偉人を入れておきました。
▼4つの脳タイプの性格の特徴
左脳 人や物事の境界をはっきりさせたい
3次元:全体を俯瞰する/2次元:部分を狭く深く見る
【智】考える人:左脳3次元
本質を見るスピードや考え方の変化が速い/目的・目標が明確で、結論から考え始める/情動的な関わりが苦手:織田信長、徳川家康、大久保利通【信】支える人:左脳2次元
原理原則にこだわって人間関係に問題を起こす/緻密な情報をもとに、物事や考えを整理整頓するのを得意とする:石田三成、明智光秀、江藤新平右脳 人や物事の境界をなくし一体化させたい
3次元:全体を俯瞰する/2次元:部分を狭く深く見る
【勇】行動する人:右脳3次元
空間のなかでの動きが速い/思考と発言が同時/周囲を巻き込む力が強い/常に自由で楽しいことや刺激を求める:豊臣秀吉、高杉晋作、桐野利秋【愛】尽くす人:右脳2次元
相手に合わせすぎて主体性を失いがちになる/狭くて濃い人間関係をつくる:前田利家、西郷隆盛、坂本龍馬
※篠浦伸禎、本田ゆみ著『人生の主役になる脳の使い方』や取材などをもとに作成
まず、左脳どうし、右脳どうしは、一見して相性がよさそうに思えますが、次元が異なると相性は悪くなります。織田信長(左脳3次元)と明智光秀(左脳2次元)が典型例です。光秀の謀反の背景には、2人の脳の相性の悪さが存在していたと私は考えています。
徳川家康(左脳3次元)と石田三成(左脳2次元)も同じです。豊臣家の存続を信念として行動する三成は、それを脅かす家康とは相性が悪く、追い詰められた三成は暴走して関ヶ原の戦いまで突き進むことになる。でも正面切った戦いになると、次元の高い左脳3次元が左脳2次元を凌駕します。
西郷隆盛(右脳2次元)と桐野利秋(右脳3次元)も同様でしょう。西郷は西南戦争をするつもりはなかったのに、人のいい西郷は周囲を巻き込んだ桐野の暴発に乗らざるをえなくなってしまいます。しかし、もともと相性が悪く、決して本意ではなかったはずです。