左右の脳の機能は明らかに違っている

脳外科医の私は、特にこの10年以上は患者の意識がある状態での「覚醒下手術」という最先端レベルの手術を行ってきました。その患者の反応から、左右の脳の機能は明らかに違っているといえます。その脳の使い方がどちらかに傾いている、つまり左脳型・右脳型があると考えています。

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左脳は「理性の脳」で、人や物の境界をはっきりさせることに快感をおぼえます。攻撃的な傾向があり、たとえば西洋人は個人と個人の境界が明確で、自己主張も強くて左脳型といえます。

一方、右脳は「関係性の脳」で、人や物の境界をできるだけなくすことを心地よいと感じます。全体の調和を重視する半面、何か問題が起こると逃避的な傾向を示し、日本人は右脳型といえるでしょう。

「次元」によって脳の情報処理を分類する

もう1つ「次元」という重要な分け方があります。脳の情報処理の仕方で分けた考え方で、視覚情報は主に右脳が処理しますが、処理する場所によって特徴があります。まず、目から見た情報がそのまま後頭葉に入ります。つまり、見たままの情報です。これはすべての大本になる情報で、これを「1次元」と定義します。

次に、後頭葉にその情報を集めて、側頭葉の内側に記憶として蓄積します。その際には扁桃体が重要な役割を果たします。扁桃体は記憶にプラスして情動を付け加えるのです。たとえば、同じ職場の仲間である「Aさん」「Bさん」という情報に、「好き」「嫌い」などの情動を加えることで、その情報の一部分を際立たせたり、深く見ていきます。これを「2次元」と定義します。さらに、それらを前頭葉や頭頂葉に集めて、情報全体のなかでの優先順位をつけながら処理していきます。この段階の情報を「3次元」と定義します。