アルバイトと思っていたら、キャバクラのボーイの仕事

受験勉強もして、無事に入学することができました。しかし夢見て入った大学院の現実は厳しいものでした。

あまり就職に繋がるような研究科ではないことは覚悟していたものの、その年の修了生で就職できた人はたった1人という、ずば抜けた就職率の悪さ。その時点で、大学院を履修しても、就職するうえでメリットにならないことを肌で感じました。

とはいえ、生活のためにはお金が必要です。以前アルバイトをしていた居酒屋の常連から「人手が足りないので店を手伝ってほしい」という連絡が来ました。渡りに船とばかりに了承し、当日お店に行ってみて驚きました。普通の飲食店のアルバイトと思っていたら、キャバクラのボーイの仕事でした。

夜のお店の知識などありませんが、話の種にでもなるかと思って始めてみると、これがなかなか悪くない。キャバクラといっても、大本の経営会社はしっかりしていて、もちろん時給もいい。社員のみなさんもこまめに休憩を促してくれたり、とても優しいんです。パワハラや理不尽な労働環境に置かれていた販売員時代と比べると、まるで天国のように思えました。

現在もボーイの仕事を続けていますが、アルバイトですし、いつまでもこの仕事をしているわけにはいきません。作家を目指して執筆活動は続けているものの、デビューできる保証もなく、数年後の自分がどうなっているか予想もつかないのです。最近は「これが本当に自分がしたかったことなのか」と、自問自答する毎日です。

▼キャリアコンサルタント・谷出正直さんの視点
「事実」と「解釈」を分けて、捉えてみてはいかがでしょうか。
過去の出来事をポジティブに解釈するのも、ネガティブに解釈するのも自分自身。であれば、ポジティブに捉える中から、自分ができることに焦点を絞って、行動するとよかったと思います。
将来の不安に対しては、改めてどんな生活や生き方をしたいのかを考え、必要な能力や人脈を逆算し、それに向けて日々取り組むという考え方もありです。人生は出会いによって変わると考えるなら、今のところで一生懸命に働き、チャンスや出会いをつくっていくというのもありです。

谷出正直
キャリアコンサルタント、採用アナリスト
1979年、奈良県生まれ。エン・ジャパンで、新卒採用支援事業に約11年間携わる。2016年に独立し、キャリアコンサルタント、採用アナリストとして活動。
 
(写真=PIXTA、iStock.com)
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