部下の言い訳が一理あるケースの上手な対処法

若手の場合は、「あなたは将来どうなりたいの?」と質問して具体的な答えを聞く。一般企業であれば、2年後に「後輩の見本となってほしい」とか、4年後に「チームリーダーになってほしい」といった地位や周囲の信頼といった“ニンジン”をぶら下げます。

なぜこの年数かは、本人に目標達成のためのスイッチが入り、かつ緊張感が続くのは4年が限度という経験則があるからです。

時には部下の言い訳が一理あるケースもあります。たとえば上半期の目標が未達成だった営業マンが、「今期は競合他社のキャンペーンがすごくて、お客さんに十分訴求できませんでした」と言い訳したとします。

この場合は「何がダメだったのか」ではなく、「その中でもうまくいったものは何なの?」と聞くようにします。部下自身に、ダメな理由=犯人探しでなく、うまくいった=将来の芽を探させる。すると「来期に商談延期となったのが3件あります」といった話が出てきます。そこで「わかった。来期は大丈夫だろうね」と伝え、勝てる方法を考えさせます。競合の弱みを探させ、ウチはどの強みで勝負するか、具体的にどう勝つかを考えさせます。

私がクライアント企業から必ず要望されるのは「自立・自走する人材が欲しい」ということです。言い訳しないで自走する人材は、市場から常に求められているのです。

▼対処法
失敗の理由を問うのではなく「将来の芽」を探させる
兼本尚昌
ストラテジックパートナーズジャパン代表取締役
ヘッドハンター。防衛大学校卒業後、ダンアンドブラッドストリートジャパン、ガートナー ジャパンなどを経て現職。
 
(構成=高井尚之 撮影=宇佐美雅浩)
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