月約5万円の支出カット「年140万円貯金に成功」

プリペイド型カードと家計簿アプリを導入してから半年後、あらためて田中さん夫婦に家計管理の状況をうかがいました。お子さんはすでに誕生しており、出産前後の慌ただしい時期でしたが、ご夫婦はアプリを使って支出を記録しつづけていました。その結果、毎月の出費を5万円ほど減っていることがわかりました。

写真=iStock.com/kuppa_rock

食費は月7.1万円から4.8万円に減りました。2.3万円の削減です。以前は身重でしんどいからという理由で総菜などで済ませることが多く、外食の機会も増えがちでした。出産後は比較的体調もすぐれていたことから、可能な範囲で手料理を増やし、作り置きなどの工夫をしました。

通信費は1万円の削減。スマホの契約を見直したいと思っていましたが、手続きが延び延びになっていました。出産直前にふたりとも格安スマホに変更したところ、料金がグッと減りました。

ほかにも、タカシさんが健康のために禁煙を決断したり、あまり視聴していなかったケーブルテレビを解約したりすることで、支出減を積み上げ、削減額は毎月5万円になりました。「まるまる使い切りの暮らし方」を脱して、年間60万円ペースで貯蓄できるようになったのです。

ボーナスもかつては使い切っていましたが、節約モードが板につき、年間計100万円のうち70万~80万円は貯められそうです。

家計管理にはいろいろな方法がありますが、「はじめから予算を決める」というのはかなりの高等テクニックです。予算額の根拠があいまいだと、管理が行き詰まってしまいます。適切な予算額を決めるには、まず田中さん夫婦のように“現状の把握”が大事です。簡単なことのようですが、これができていないご家庭が多いのです。

今回は家計簿アプリをご紹介しましたが、できることなら支出記録は手作業がいいと思います。家計簿アプリは自動で記録されるがゆえに、かえって確認がおろそかになってしまう場合があります。わが家の支出の傾向や浪費の癖を知るためにも、日々チェックする習慣を忘れないようにしてください。

▼【家計費コストカット額ランキング】

1位:食費 -1.3万円
体調がすぐれない日などは総菜などでき合いのものを買って食べていたが、出産後、離乳食を意識したこともあり、自炊中心となった。
2位:外食費 -1.0万円
赤ちゃんの負担を考え、外出は控えめに。月に2回を限度に、デリバリーを楽しむことに。
3位:通信費 -1.0万円
思い切って夫婦で格安スマホに切り替え。Wi-Fiの契約も含む。
4位:嗜好品 -0.7万円
夫が、妻と子ども、自分の健康のために禁煙。
5位:その他 -0.6万円
導入したもののあまり視聴していなかったケーブルテレビを解約。さらに妻の美容室の頻度を減らした。
6位:生活日用品 -0.2万円
おむつ代が増えたが、美容を気遣ったシャンプーなどを控えるようにした。

(写真=iStock.com)
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