(6)ありきたりの解決策が企業のニーズに合わない
調査会社はえてして画一的な解決策を押しつけるが、たとえば銀行が自動車メーカーと同じ情報を必要とするだろうか。調査会社の顧客は、案の定、役に立たない一般的なデータを受け取ることになる。
(7)みんなが自分のルールをつくる
グローバルに活動を展開しているテレコミュニケーション企業の新しいCEOが、この会社では国ごとに、また事業ラインごとに、独自の顧客満足度調査会社を使い、独自の方法論と独自の結果報告スケジュールを採用していることに気づいた。出てきた調査結果が気に入らなければ、解決策は簡単だった。方法論を修正すればよかったのだ。実際、調査の方法論に関する議論はその範囲がきわめて広い。顧客のフィードバックを測定・報告するための最善の基準を見つけることひとつをとっても、専門家の意見はさまざまだ。単純な「はい・いいえ」方式がよいと言う者もいれば、5段階評価をすすめるところもある。また、同じ5段階評価でも、1が「すばらしい」、3が「どちらでもない」、5が「悪い」とするところもあれば、逆がよいと言う者もいる。また、「どちらでもない」の項を設けない調査会社もある。
(8)取引と関係を混同している
単一の取引の質を測定するのは簡単だが、関係を評価するためには、顧客の経験のあらゆる面──アウェアネス、購買、アフターサービス、請求、アップグレードなど──に目を向ける必要がある。企業がこれらの接触ポイントのすべてを分析することはめったにない。