本体価格7800円の格安端末もある
大手キャリアは店舗があちこちにあり、対面で相談でき、端末が故障すれば、すぐに代替機を用意してもらえるのが強みだった。一方のMVNOは顧客とのやり取りをネット対応に絞ることが多かったが、最近では、楽天モバイルなど、積極的に店舗を新設するブランドもある。
ただ、MVNOには、大手キャリアのような音声通話かけ放題のプランは多くない。頻繁に電話をする必要があり、なおかつLINEなどの無料通話をビジネス上で使用するのに抵抗がある人は注意が必要だ。
だが、「そろそろ子どもにスマホを持たせるか」という親世代は、自分たちは無料通話に抵抗があっても、子どもにはMVNOで十分だと考える人も多いだろう。スマホ本体にしても、たとえばNTTレゾナントが「gooのスマホ」として販売する「g06+」は税抜き7800円。これなら子どもに持たせても惜しくない。
通信費は(保険や住宅ローンと比べて)軽視されがちな分野だが、生涯の支出を考えれば削減効果は大きい。
17年12月、フリーテルを運営するプラスワン・マーケティングが民事再生法の適用を申請したが、MVNO事業は楽天モバイルに譲渡済みであるため、ユーザーに直接的な不利益は出なかった。ユーザーを抱えたまま倒産し、社会に大きな影響を与えない限り、MVNOへの移行はゆるやかに続いていくはずだ。
(構成=唐仁原俊博 写真=iStock.com)