第三カ条
年賀状削減で人間関係を厳選
友達は「量より質」で関連コストも削減
SNS時代において、友人の多さはその人の価値や財産のように思われがちだが、弘兼氏は「友達の数で、幸せは決まらない」と断言する。
「若い頃は、友人の多さが有利に働く場面がたくさんあります。特に仕事はそうですね。しかし、年を重ねるにつれ、自分のポジションというものが明確になります。もしこれ以上、上にいけないと感じたら、無理して今以上に人脈を広げたり、維持したりする必要はありませんね。それよりも、少人数の信頼できる友人がいるほうが大切です」
現役世代でも、モノを通じて今の人間関係を見直すことはできる。
「僕は最初に年賀状廃止からやりました。昔の年賀状は心のこもった手書きでしたが、今ではパソコンですべてを印刷したものがほとんどです。さらに正月の過ごし方も変わってきています。昔と違って元日からお店は営業しているし、イベントもいろいろやっています。年賀状をゆっくりこたつで見る人って、減っているのではないでしょうか。となると、年賀状を出しても、読まれているのかどうかさえわかりませんから」(弘兼氏)
さらに弘兼氏は、「スマホなど通信手段も昔に比べて格段に発達しています。現役世代が年賀状を全廃するのは難しいかもしれませんが、現在200~300枚の年賀状をもらっている人は、送る数を10分の1程度に減らしても十分ではないでしょうか。突然年賀状を廃止するのが気になる場合や、送ってない人から送られてきた場合は、『自分はもう年賀状を出しません。その代わり、普段、連絡を取り合いませんか』と連絡をしてみては」と語る。
同様に、「保存しておく年賀状は過去3年分のみ」という佐々木氏は、ビジネスパーソンの証しである名刺も、枚数を決めて3年分しか取っていない。
こうした人間関係の整理を進めておくと、定年後、冠婚葬祭にかかる費用を抑えられるというメリットもある。同様に、お中元、お歳暮の送り先についても検討の余地ありだ。
現役世代は、まずは会社関係者と行く飲み会を厳選するところから始めてはどうだろうか。また、「二次会には行かない」などルールを決め、浮いた時間やお金を、定年後のプランづくりに回すのもオススメだ。