※本稿は、木部智之『複雑な問題が一瞬でシンプルになる2軸思考』(KADOKAWA)を再編集したものです。
ナマの数字は、どんなときでも客観的
あなたがマーケティング部門に所属していたとしましょう。
「どの商品が伸びていて、どの商品が不振なのか?
また過去と比較した推移はどうなっているのか?
会社を成長させるために、正確な定量データに基づいた提案がほしい」
このような指示を受けたとき、あなたはまず、「定量データ」を分析するでしょう。
商品の販売数や在庫数など、実際のリアルな数値が打ち込まれた「定量データ」は、あらゆるデータの中で、最も「客観的」な数値です。
定量データは、グラフなどに加工されてしまうと、表現に工夫の余地が入るので、次第にグラフの作り手の「主観」が入ってきてしまい、現実の姿から、少し離れたものになってしまいます。
そのため、何よりも「現実の状況」をつかみたいと思ったら、まず、元々の定量データを見て、そこから何かを読み取る必要があるのです。
定量データを、2軸のマトリクスにあてはめる
定量データは、見た目はただの「数値の羅列」です。パッと見、あまり面白みのあるものではありません。
そして、何種類もの商品の過去から現在までのデータとなると、データ量は膨大となり、手をつけるにも、どこから手をつければよいのか、ひるんでしまいそうになります。
そこで、ここでの最初のアプローチとして、2軸のマトリクスを使って、商品ごとの売上や利益率の数字を整理することを考えます。
この時点では、整理をしたあと、次に何をすべきかは決まっていません。
とにかく、何らかの糸口を探すためにデータを可視化したいので、マトリクスに落とし込んでいくのです。
タテ軸とヨコ軸を決めるポイント
マトリクスをつくるとき、まず決めなければいけないのは、タテ軸とヨコ軸です。
このケースでは、商品の比較をしたいので、「商品」がひとつの軸になります。
そしてもうひとつの軸には、「売上・売上前年比・利益率・返品率・販売年数」などの商品の力を測る要素を設定します。